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厚生労働省指導による専門医制度に係る懇談会の進展状況

■第6回矯正歯科専門医制度に関わる三団体懇談会(議事録)

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[日時]平成20年7月3日(木曜日)14:00〜16:00
[場所]八重洲富士屋ホテル5階「かりんの間」
[幹事団体]日本矯正歯科協会(JIO)
[参加者](敬称略)
日本矯正歯科学会   :小川邦彦、飯田順一郎、浅井保彦
日本成人矯正歯科学会:佐藤元彦、武内 豊
日本矯正歯科協会   :深町博臣、のき田邦裕、夕田 勉

【報告事項と協議内容】
第5回の議事録確認後、協議に入った。
前回、統一した審査を行う方向性について三団体とも合意したが、どこが審査を行うかということで、以下の二つの案が出されていた。
  (1) 日矯学会の中で行う。
  (2) 日矯学会の外に新たな審査機関をつくる。
上記二案につき、各団体が持ち帰って協議した内容につき報告を受けた。  
日矯学会: 基本的には日矯学会の制度の中に審査機関を作って頂きたい。但し、その場合に他の二団体がどういう風な形で参画できるかということについては、色々相談をして構わない。全くの日矯学会だけの制度で行くというのではなく、専門医の審査委員の選び方等については色々話し合って、最終的には学会員が納得できるような形で決まるのであれば、それはそれで良い。何が何でも日矯学会の選んだ委員だけで全てやらなければいけないということではなく、多少柔軟な形で検討していただくという形に、一応コンセンサスを得た。
成人学会: 日矯学会の中で行う場合、譲歩できるぎりぎりの案として、委員の割合を当会とJIOあわせて少なくとも50%となるようにしてほしい。日矯の出した案を基にそれを直していくという方向は良いが、全てを日矯にお任せする意味ではない。
JIO: 委員の割合だけを言うのであれば、33、33、34%でなければおかしい。社会に対しての透明性という意味からも、日矯学会の中でやることには賛成できない。あくまでも三団体の外に新たな認定機構を作るべきである。日矯学会の後藤理事長が代表になり、他二団体から副代表を出すこと等は考えられる。
日矯学会: 現実的にできる道筋は、とりあえず日矯学会の中でスタートすることだと思う。他二団体がどういう形で参加されるかは、これからの話し合い次第だが、そこでお互いの信頼関係が醸成されてきたら第三者認定機構というものに発展する事もありえる。ちなみに我々の前前の執行部で作った専門医制度基本方針の中に、第三者認定機構を目指すという指針が入っており、理事会・評議委員会で認められている。だから理想的に言えばそうだという方向性に対しては誰も反対していない。しかし、今までの西日本の問題等から、お互いに不信感がある。だから一挙に外に新たな機構を作るという事について理解は得られないと思う。
JIO: 私たちは、専門医制度を、これからの若い人たちが、矯正専門として食べていける環境作りの第一歩と捉えている。そのために第三者認定機構を公正な形でわかりやすく新たに建てるということを考えている。現状において、大学矯正科に残った人の約7割が専門開業医を目指さないと言われている。学会認定医だけを取ってフリーターになる。私は学会認定医ですと言って、色々な所でアルバイトをして生計を立てている。その状況が蔓延した先には、専門医はいらなくなる。2001〜02年の日矯学会執行部において認定医と切り離した専門医にするという案が出た。しかし結局一緒にして、認定医の問題をうやむやにしたまま今まで来ている。認定医制度の責任を誰も取っていない中で、認定医の上に専門医を作ろうとしているから我々は反対している。
日矯学会: 半分はそうだが、我々の委員会で作った専門医制度案は、認定医の上に丸々作ったわけではなかった。ちゃんと半分ずらしてあって、この専門医制度が一番理想の形だというのを作って、その下に認定医が来るのが理想だが、今の認定医制度の問題があるから、認定医ではない人も専門医になれるという道を作った。そしてパブリックコメントをやったけれども、JIOの前身の人たち、反対25人のうち24人が同時に反対として出してきた。あれは認定医制度の上にそのまま作ったものではなかった。認定医制度は、臨床試験をやるようになってもう8年目になる。5年毎の更新をやっているが、以前と比べたら随分良くなっている。
JIO: 比較の問題ではない。前もある学会理事が、一般市民からの質問に対して「認定医の平均的なレベルは高いと思いますよ」と答えたようだが、もし患者さんが、低い技能の認定医を受診したら誰が責任を取るのか。
その後、議論が続いた中で、将来的に第三者認定機構の会員数(原則として認定された専門医は機構の会員となる)が1000人を越えた時点で、その団体が日矯学会から分離独立して法人格をとることを明文化した上でなら、日矯学会の中で専門医制度を開始することもあり得るという意見がだされた(別掲【当日配布資料の抜粋】中の(3)から(1)へ移行する案)。
日矯学会: 認定機構が1,000人を超えた時点で、認定機構での認定が可能となるということは、専門医は今1,000人もいないわけだから、将来的に本当に健全な形でその団体ができるのであれば、日矯も否定しないと思う。将来的な約束というのが日矯学会の中で得られるかというと、それは可能かなと思う。
JIO: (別掲【当日配布資料の抜粋】中の)(2)でスタートするか(3)でスタートするかということになると思う。(2)の案の場合、三団体で統一した基準を定めて統一審査を行えば三団体それぞれが専門医資格認定団体になり得る、との発言を厚労省から得ている。その場合でも、最終的には1になるべきだと思う。なお、(3)の案でスタートする場合には、(1)になることをあらかじめ約束しておく必要がある。
成人学会: 日矯学会の中で作るにしても、それは我々の団体の色々な発言権が、それなりに留保された上でのことである。
JIO: 各団体が審査員を5人なら5人、7人なら7人と平等に出して、審査委員会が決めるものは審査委員会に一任する。そういう形にならないと進まない。それで審査を続けて、専門医として認定された人達の中から次の審査委員を選ぶというシステムを作っておけば問題ないと思う。そういう組織をどう作るかという事がこの懇談会に託されている役目だと思っている。将来的には、新しく選ばれた次世代の人達が自分達でその方向性を決めて、次の専門医を描いて進むことになる。
日矯学会: 賛成です。さっき我々も以前に第三者認定機構を目指すという事を評議員会で認められたと話したが、その時のイメージとしては、三つの団体の真ん中に作るのが第三者認定機構というイメージじゃない。国民とか消費者とか色々な立場の人を運営の中に、審査とは別に入れて、そして透明性を持たせるとか、社会性の常識に合わせていくという、そういう意味での第三者認定機構と言っている。だからここで最終的に目指すというものができた時にも、ある程度最後の姿はそれだという風に目指して欲しい。
JIO: ステップを踏んで新たな認定機構を作ることに合意したとしますね。ではその審査のやり方に関して、誰がどういう風に決めますかといった時に、この三団体でそれを決めるという事は良いですか?
日矯学会: それはそれしかないでしょうね。
JIO: 極端な話、日矯学会と成人学会の審査はほとんど一緒だから、日矯学会とJIOのやり方のどちらを選んでも良い、という形でスタートすることも考えられる。
日矯学会: 例えば受験資格に対する条件は。
JIO: 最初の試験は三団体の会員である事。
日矯学会: 何年間継続してとか。
JIO: ベースとして厚労省の定めた5年以上の研修期間がある。
成人学会: その辺を決めていかないといけない。
JIO: まず運営委員会を作って、そこで具体的に詰めて行く必要がある。
日矯学会: ここで議論したものを、そのまま日矯の中に作るといっても、それができるかは疑問である。細部に関しては異論が出てくるが、全体的にこの3から1を目指すという動きとしては賛成である。しかし具体論として、日矯の外部団体として運営委員会を作って、それを日矯の中でどういう風に組織されて動かすのかというのが理解できない。『日矯の内部で統一した審査を行う』という、ここら辺がまだ非常に曖昧で、もうちょっと詰めないと具体性が浮かんでこない。
日矯学会: 研修に関する話が必要である。現在勉強している人達もいる。研修も含めた総合的に考えたシステムを作るように議論を進めていかなければならない。現実を見据えないといけない。(日本矯正歯科学会研修施設申請書類の回覧)
JIO: 審査が終わったら当然、研修の話になる。我々も、JAOを設立し、申請書も作っているが、専門医制度自体の方向性がはっきり決まっていないので動かしていない。指導医も臨床指導医も今まだ決めていない。専門医を選ぶ方向性が決まってこないと、教育そのものもできない。
JIO: 我々が考えているのは、専門開業医が堂々とやっていけるような、そして後輩もそれを目指すようなシステムを構築しないといけないということである。GPが矯正をやってはいけないなどとは一言も言わない。でも専門医が矯正の主導権を握るような状況にならないとしょうがない。
日矯学会: 専門医だけで話して、専門医が美しいものだと思っていても、それが社会にどのように受け止められるか、どのように反応されるか考えながらやっていかなければならない。今の議論は社会には受け入れられないと思う。
 この後、研修機関の認定、日矯学会の指導医と専門医との相違等につき議論が続いたが、最終的にステップを踏むという案について、それぞれ持ち帰って確認を得てくることとなった。
また、最初のステップと、最終的な形について、次回の懇談会までにメールで案を出し合うこととなった。

 次回の第7回同懇談会は、9月23日(火曜日・祝日)の予定。 それまでの間に、各団体が文章(メール等)にてステップ案を提出し、議論を詰める予定。

以上、この議事録が正確であることを証します。
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